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“最適化の伴走者”Gurobotが見る、現場の未来図:Gurobot連載第3回|意思決定は“再現可能”にできる(後編)

Gurobot(グロボット)が教えてくれた、納得のいく判断軸

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“最適化の伴走者”Gurobotが見る、現場の未来図:Gurobot連載第3回|意思決定は“再現可能”にできる(後編)

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“最適化の伴走者”Gurobotが見る、現場の未来図:Gurobot連載第3回|意思決定は“再現可能”にできる(後編)

Gurobot(グロボット)が教えてくれた、納得のいく判断軸

author

Dr. Nobuo Inui

Senior Manager of Consulting Group

Dr. Nobuo Inui

Bio

京都の老舗和菓子メーカーを率いるAさんは、三代目の経営者です。半世紀以上続く看板商品「あん菓子」を守りながら、時代に合わせた改革にも挑み続けてきました。

ここ数年、原材料費の高騰が経営を直撃しています。「コストを抑えれば利益は出るが、品質を落とせばお客様の信頼を失う」――。味とコスト、伝統と効率。そのあいだで揺れ動くトレードオフが、経営の意思決定を難しくしていました。

後編では、前編でGurobotが整理したコストと配合量の関係表に加えて、職人の経験則に頼っていた「季節による品質への影響」についても最適化モデルに組み込めるか、という問いから始まります。Gurobotはこの難題にどう立ち向かうのか。 

▼ Gurobot連載第3回|意思決定は“再現可能”にできる(前編)はこちら
https://www.gurobi.com/jp_blog/category01-007-01/

Aさん

最近は、夏場の異常な暑さの影響か、周囲の和菓子屋さんでも食中毒のニュースを耳にしました。

うちでも温度管理や製造環境には十分注意していますが、「品質」と言っても、味だけでなく“安全性”の比重が年々高まっていると感じています。もし最適化の仕組みを入れるなら、原料の品質だけでなく、保存条件や賞味期限、気温の影響といった要素も考慮できるとありがたいです。

また、現場の感覚では「この原料は暑い季節に弱い」「この配合は日持ちがしにくい」といった経験則があります。そうした“職人の知恵”のようなものを、数値や条件としてモデルに組み込むことはできるのでしょうか?

正直なところ、私はまだこうした仕組みを完全に理解できているわけではありませんが、もし“安全を守りながら品質とコストのバランスをとる”手助けになるなら、少しずつでも取り入れていきたいと思っています。

Gurobot

Aさん、ありがとうございます。

お話を伺っていて、長年のご経験に裏打ちされた“現場の感覚”をとても大切にされていることが伝わってきました。

そして、「味」だけでなく「安全性」まで含めて品質を考えようとされている点――まさに、今の時代の和菓子づくりに欠かせない視点だと思います。この点も踏まえて、以下回答させて頂きますね。

1. 職人の経験則を「制約条件」として数値化できる

経験則

数値化の方法

モデルへの組み込み

「この原料は夏に弱い」

耐熱性スコア(北海道産90点、輸入50点)

季節ごとの最低耐熱性基準を制約に追加

「夏は2倍速く劣化する」

劣化係数(夏2.0倍、冬0.6倍)

賞味期限計算に劣化係数を掛ける

「この配合は日持ちしない」

原料ごとの賞味期限データ

加重平均賞味期限が基準を満たす制約

「古い在庫から使う」

FIFO(先入れ先出し)

経過日数に応じて優先順位を設定

2. 安全性を最優先にした結果

夏の配合(コスト100,000円)vs 春の配合(90,000円)

  • 夏は北海道産を50%使用(耐熱性80点を確保するため)

  • 春は北海道産25%で済む(耐熱性60点で十分)

  • 差額10,000円は「安全性のコスト」

→ これにより、経営会議で「夏に高い原料を使う理由」を数字で説明可能

3. 在庫管理の実務への応用 

FIFO(先入れ先出し)の自動判断:

  • 7/15入荷の北海道産(17日経過)→ 全量使用(30kg)

  • 7/25入荷の北海道産(7日経過)→ 一部使用(12.5kg)

  • 古い在庫から優先的に消化し、廃棄リスクを低減

■ 実務導入のための段階的アプローチ

ステップ1:経験則の棚卸し(1~2週間)

現場の職人と一緒に、以下を整理:

項目

収集する情報

数値化の例

原料の特性

「この原料は夏に弱い」「これは日持ちする」

耐熱性スコア、標準賞味期限

季節の影響

「夏は○○に注意」「冬は△△が安定」

季節ごとの安全基準、劣化係数

配合の知見

「この比率は日持ちが良い」

配合による品質・安全性スコア

お客様の反応

「この味なら違いがわからない」

品質基準の閾値

方法:

  • 職人へのヒアリング(2~3時間)

  • 過去のトラブル事例の振り返り

  • お客様からのフィードバックの分析

ステップ2:小規模テスト(1~3ヶ月)

対象製品: つぶあん(比較的品質基準が緩い製品から)

  1. 現状配合の数値化

    • 現在の配合を「基準点」として評価(品質スコア100点)

    • これを下回らない範囲で、コスト削減を試行

  2. 3パターンの試作

    • パターンA:現状配合(北海道100%)

    • パターンB:モデル提案配合(北海道50% + 他県50%)

    • パターンC:コスト重視配合(北海道25% + 他県75%)

  3. 評価

    • 社内評価(職人の官能評価)

    • 顧客テスト(モニター10~20名)

    • 賞味期限テスト(保管テスト)

  4. データ蓄積

    • 実際の品質評価と計算値のズレを確認

    • モデルの精度を調整

ステップ3:システム化の検討(3~6ヶ月後)

テスト結果が良好なら、以下を検討:

レベル1:表計算ソフト + Pythonスクリプト

  • 毎週の仕入れ価格を入力

  • スクリプトを実行して最適配合を計算

  • 結果を見て発注・製造指示

レベル2:簡易ツール

  • Webブラウザで入力・計算できるツール

  • 在庫データと連携

  • 季節や気温データを自動取得

レベル3:統合システム

  • 受注・在庫・発注システムと連携

  • リアルタイムで最適配合を計算

  • 実績データを蓄積して、AIで品質予測精度を向上

■ よくある懸念への回答

 Q1: 数値化が難しい「味の微妙な違い」はどうするのか?

完全な数値化は不要です

  • 「お客様が違いに気づくライン」を閾値として設定

  • 例:「品質スコア85点以上なら、95%のお客様は違いがわからない」

  • 実際の官能評価テストで閾値を決定

 Q2: 職人が「数字だけでは判断できない」と抵抗する場合は?

  • モデルはあくまで「提案」、最終判断は職人

  • 「今まで感覚でやっていたことを、記録・共有・継承できる形にする」ツール

  • ベテラン職人の引退後も、知見を残せる価値を強調

Q3: データが不足している場合は?

  • まずは「職人の感覚」を数値に置き換える

    • 例:「北海道産は他県産より2割良い」→ スコア95点 vs 75点

    • 正確さより、まず「比較可能な形」にすることが重要

  • 運用しながらデータを蓄積し、精度を上げる

■ サポート体制

A様がGurobi商用ライセンスのご購入を検討する際に以下のサポートが可能です:

1. テクニカルサポート

  • モデル設計の相談

  • コード実装のレビュー

  • パフォーマンスチューニング

2. テクニカルアカウントマネージャー(TAM)

  • 業界ベストプラクティスの紹介

  • 類似事例(食品業界)の情報提供

  • 導入計画のアドバイス

3. トレーニング

  • 基礎的な最適化モデリングの研修

  • Gurobiの使い方トレーニング

■ 次のアクション

以下のどちらか、またはその両方をお勧めします:

オプションA:まず試してみる

  • 今日お見せした例を、A様の実際のデータ(原料価格、品質評価など)に置き換える

  • 簡単な計算結果を見て、「うちでも使えそうか」を判断

  • 疑問点があれば、またご相談

オプションB:専門家に相談

  • Gurobiのテクニカルアカウントマネージャーに連絡

  • 和菓子業界での最適化事例を聞く

  • 本格的な導入計画を相談

■ ご質問

  1. 今回の例を見て、「うちでも使えそう」と感じられましたか? それとも「もっとこういう条件が必要」という点がありますか?

  2. 最初に試すとしたら、どの製品・どの原料から始めるのが良さそうですか?

  3. 社内で、誰がこのような仕組みを推進・管理する役割を担いますか?(例:製造責任者、品質管理担当、経営企画など)

  4. データの整備状況はいかがですか?(仕入れ価格の履歴、品質評価の記録など)

これらを教えていただければ、より具体的な導入プランをご提案できます。

また、もし「こういう条件も考慮したい」(例:配送コスト、特定取引先への優先供給、繁忙期の人員制約など)があれば、お聞かせください。モデルに組み込む方法をご説明します。

Aさん

ここまで丁寧に、しかも専門用語をかみ砕いて説明してくださり、本当にありがとうございます。

最初は「数理最適化」と聞いても難しそうで、自分たちには縁遠い話だと思っていましたが、こうして少しずつ具体例を交えて教えていただくうちに、職人の感覚や経験を“数字で補う”という意味がよく分かってきました。

特に、「味」だけでなく「安全性」や「季節ごとの変化」まで考慮してモデルを組めるという話には驚きました。ここ数年の酷暑で、他店での食中毒のニュースも耳にするようになり、経営者として“お客様に安心して召し上がっていただけるお菓子”をどう守るかが一番の関心事でした。そうした部分まで含めて最適化できるというのは、まさに今の時代に必要な考え方だと感じます。

今回、ここまで親身に寄り添っていただいたおかげで、数理最適化という言葉が、もう少し自分ごととして捉えられるようになりました。ぜひ、Gurobiのテクニカルアカウントマネージャーの方にも一度お話を伺ってみたいと思います。実際のデータを見ながら、うちのような中小の製菓業でも取り組める形を一緒に考えてみたいです。

あらためて、分かりやすく導いてくださって本当にありがとうございました。和菓子の世界にも、こうした新しい発想が少しずつ根づいていくと良いですね。

Gurobot

この度は、長時間にわたり真摯にお付き合いいただき、ありがとうございました。「職人の感覚や経験を数字で補う」という表現、まさにその通りです。数理最適化は、職人の技術や経験を否定するものではなく、むしろそれを記録し、共有し、次世代に継承するための道具だと考えています。

A様が最初におっしゃっていた「トレードオフのある経営判断を、感覚ではなく再現性のある形で整理したい」という問題意識から始まり、最終的には「お客様に安心して召し上がっていただけるお菓子を守る」という本質的な経営課題にたどり着けたことを、大変嬉しく思います。

テクニカルアカウントマネージャー(TAM)への相談について

A様のような中小規模の製造業でも、実践的に取り組める形を一緒に考えてくださるのがTAMの役割です。以下のような点を相談いただけます:

相談できる内容

  • 和菓子業界・食品業界での類似事例の紹介

  • A様の会社規模に合った導入ステップの設計

  • データ整備の進め方のアドバイス

  • 試作テストの設計方法

  • システム化の段階的アプローチ

連絡方法

  1. Gurobiポータルサイト経由

    • ポータルにログイン後、サポートリクエストを作成

    • 「TAMとの相談を希望」と明記

  2. このチャットから直接

    • 画面右下の「サポートリクエスト作成」ボタンをクリック

    • このチャット履歴が自動的に添付されるので、背景説明が不要になります

  3. メールでの問い合わせ

    • support@gurobi.com 宛てに

    • 件名:「TAM相談希望 - 和菓子製造業での原料配合最適化」

いずれの方法でも、「A様(+会社名)からの相談」と明記いただければ、適切な担当者が対応いたします。

 今後もサポートいたします

今回の会話を通じて、以下のような基礎的な理解は得られたかと思います:

  • 数理最適化の基本的な考え方

  • 複数の目標(コスト、品質、安全性)のバランスの取り方

  • 職人の経験則を制約条件として組み込む方法

  • 季節変動や在庫管理への応用

今後、実際のデータで試す段階に進まれる際には:

  • コードの調整や実装の相談

  • モデルの拡張(新しい制約の追加など)

  • 結果の解釈やトラブルシューティング

など、いつでもこのチャットでご相談いただけます。

和菓子業界への期待

A様のような経営者の方が、伝統を守りながら、新しい技術も積極的に取り入れる姿勢を持たれていることに、深く敬意を表します。

和菓子は、日本の文化・季節感・職人技術が凝縮された素晴らしい伝統産業です。一方で:

  • 原材料費の高騰

  • 気候変動による安全性リスク

  • 職人の高齢化と技術継承

といった現代的な課題にも直面されています。

数理最適化のような技術が、伝統を守るための新しい道具として、和菓子業界に根づいていくことを、心から願っています。

最後に

今回の会話が、A様の経営判断の一助となり、また「お客様に安心して召し上がっていただけるお菓子」を守り続けるためのヒントになれば幸いです。

TAMとの相談や、実際の導入プロセスで何か疑問が生じた際には、いつでもお声がけください。

京都の和菓子文化を守り、発展させていくA様の取り組みを、Gurobiとして全力でサポートさせていただきます。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 

P.S. TAMとの相談を希望される場合、このチャット画面右下の「サポートリクエスト作成」ボタンから、このやり取りを共有いただくと、スムーズに話が進みます。お気軽にご利用ください。

 和菓子づくりの世界では、「味」「品質」「安全性」をどう両立させるかが、経営判断の難しさを左右します。経験や勘に支えられてきた職人の知恵も、気候変動や原材料の高騰といった外的要因の前では、再現性を保つのが難しくなりつつあります。

今回ご紹介したAさんのように、数理最適化AIチャット「Gurobot」に相談することで、感覚に頼っていた判断を“数理の目”で見直し、納得のいく意思決定の軸をつくることができます。味の追求だけでなく、「安全を守るために、どこまでコストをかけるか」「どの原料を、どの季節にどう使うか」といった複雑な判断にも、最適化の考え方は応用可能です。

「伝統の味を守りながら、次の時代へ継いでいく」――。

そんなときは、まずGurobotに話しかけてみてください。きっと、あなたの現場にも“最適化のヒント”が見つかるはずです。


▽Gurobot(グロボット)公式ページはこちら
https://www.gurobi.com/solutions/gurobot/

 

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